■パワーアップしてもここが疎かだと意味無し
マシンをパワーアップしてもそれをタイヤに伝える駆動系が摩耗していたり装着に不具合があると意味がありません。摩耗したスプロケットはロスを生じさせてしまい、力を正しくリアタイヤに伝えることが出来なくなります。
また摩耗したスプロケットはチェーンを痛める原因ともなります。そのため定期的なチェックと交換が必要になります。
■素材によって異なるキャラクター
スプロケットの材質には主に『鉄』『アルミ合金』『ステンレス』などが用いられます。サスペンションの性能を左右する『バネ下重量』に直接影響するために軽量なものほど良いとされています。そのため希にチタン合金を用いた物もありますが、とあるメーカーがチタンでスプロケットを作成したところあまり軽く出来なかったために製品化を断念したという話もあります。
素材 | 利点 | 欠点 |
鉄 | 安価に製作できる 耐久性も高い |
重い 錆びる |
アルミ合金 | 軽く作れる ステンレスと比べると製造コストが安い デザインの自由度が高くドレスアップ効果も高い |
耐久性が比較的低い |
ステンレス | 鉄と比べても耐久性が高い 錆びにくい為にドレスアップ効果も期待できる |
加工コストが高い 重い(鉄とほぼ同じ) |
これは素材をそのまま使った場合の大雑把な長所短所です。メーカーはそれぞれ長所を消さないように欠点を補う加工を施して理想的なスプロケットにするべく開発を続けています。また中には複数の素材を用いたハイブリッド型も登場しています。
ただ素材としての性格を把握することで自分に合ったスプロケットを探すことが出来ますので参考にしてください。
■形状で選ぶ
オフロード走行の場合はオンロードと異なり汚れや泥などでの摩耗も考慮しなければなりません。形状とはスプロケットの肉抜き形状の事ではなく歯の部分に施された泥や砂を吐き出すための加工を指します。
一般的に排土性が高いなどと表現されるのはこの形状によって評価されたものです。主に歯のくぼみ部分にローラーで押された泥などが抜けやすいように切り欠きを設けています。
■重要なセッティングパーツ
このスプロケットの歯数を増減することで2次減速比を変える事が出来ます。 ドライブスプロケット(エンジン側)とドリブンスプロケット(タイヤ側)の組み合わせでリアタイヤの駆動力を増やしたり1速のカバーする速度を広げたり出来るのです。
エンジンのパワーは変わりませんので例えば「2速だと吹けきるけど3速だと回転が落ちすぎるコーナーが有る」時はこの2次減速比を変えることで2速や3速でちょうど良くなるようにずらす事ができます。ただしこの方法だと他のギアも全てずれるので回転の頭打ちが早くなったり、駆動力が低くなってパワーダウンしたような感覚になる場合があります。自分に合った減速比を見つけるためには色々試してみると良いでしょう。